【第一夜】今夜、仮面の下で君を想う


 


椿は、一歩下がり、軽く手を振る。



「じゃあ、また」



背を向ける前、振り返って言う。



「……簡単に溶けない人、嫌いじゃないです。」



黒瀬は、答えなかった。



だが、

去っていく背中を、しっかりと見送っていた。