【第一夜】今夜、仮面の下で君を想う





「待て。」
 


低く、短い声。
 


振り向くと、オーナー

――黒瀬氷が、

カウンターの内側からこちらを見ていた。



「お帰りですか?」


「ええ。十分楽しませていただきました。」
 


にこりと、いつもの上品な笑み。
 


黒瀬は、すぐには答えない。