【第一夜】今夜、仮面の下で君を想う





「……ええ。」


「約束だ。」


「約束は、軽々しくしない主義です。」


「じゃあ」
 


九条は、目を閉じる。



「期待だけ、しておく。」
 


椿の指が、最後に九条の髪を撫でた。
 


それは、肯定でも否定でもない。
 


ただ、関係が一段階、動いた合図だった。
 


幼なじみのままでは、いられない。
 


でも、まだ――
 


恋人でもない。
 


その曖昧な距離が、
 


九条にとっては、何よりの希望だった。