その瞬間だった。 「すみません。」 低く、はっきりとした声。 弥生が、 いつの間にかその卓の横に立っていた。 「今日は彼、もう十分頑張ってるので。 代わりに俺が飲ませて頂いてもいいですか?」 そう言って、 女性客の前に自分のグラスを差し出す。 「No.1が来てくれるなら、いいわよ〜。」 軽口に笑顔で応じながら、 弥生は一気にグラスを空けた。 周囲がどっと沸く。 だが、彼はそれ以上、その卓に居座らない。