【第一夜】今夜、仮面の下で君を想う





「……相変わらずだ。」

「?」


「俺の一番、言われたくないことを言う。」



椿は、微笑んだ。



「幼なじみですから。」
 


その言葉に、九条は目を閉じる。
 


ここにいる理由。
 


名前を捨てた理由。
 


勝たない理由。
 


すべてを知った上で、
 
それでも隣に座る人間がいるという事実が――
 


今の九条には、何より重かった。
 


夜は、まだ深い。