【第一夜】今夜、仮面の下で君を想う





九条は、目を閉じたまま続ける。



「俺は、ここに“落ちてきた”わけじゃない。」
 


椿の指が、無意識に九条の髪に触れた。
 


柔らかく、整えられているが、
 


昔と同じ癖毛が、指に絡む。



「……その癖」
 


九条が、少しだけ口元を緩める。



「考え事してるとき、必ずやる。」


「触られるの、嫌だっけ?」


「今さら。」
 


そう言って、抵抗もしない。