しばらく、二人の間に沈黙が落ちていた。 椿の膝の上に頭を乗せたまま、 九条―― 今は“城崎”と名乗っている男は、 天井を見つめている。 店の喧騒は、薄い膜を隔てた向こう側。 ここだけ、時間の流れが違う。