弥生は、自分の卓に戻ると、 椿のグラスに視線を落とした。 「飲めてる?」 「……少しだけ。」 「それで十分。」 微笑みは穏やかで、 押し付けがましさが一切ない。 椿が飲まないことを責めないし、 飲ませようともしない。 まるで“選択権”を 最初から彼女に渡しているかのようだった。