【第一夜】今夜、仮面の下で君を想う




弥生は、自分の卓に戻ると、

椿のグラスに視線を落とした。



「飲めてる?」


「……少しだけ。」


「それで十分。」



微笑みは穏やかで、

押し付けがましさが一切ない。



椿が飲まないことを責めないし、

飲ませようともしない。



まるで“選択権”を

最初から彼女に渡しているかのようだった。