【第一夜】今夜、仮面の下で君を想う




グラスを取ろうとした拍子に、

椿の袖がわずかにずれた。
 


ほんの一瞬――それだけで十分だった。
 


城崎蓮の視線が、確かにそこに落ちた。
 


白い肌に浮かぶ、一輪の薔薇。
 


瞬間、空気が変わる。
 


城崎の動きが止まり、呼吸が一拍遅れた。