【第一夜】今夜、仮面の下で君を想う





「どこ行ってた。」
 


声は低い。
 


店で使う甘い調子じゃない。



「少し、席を外してただけです。」


「“少し”?」
 


椿の腰に置かれた腕が、僅かに引き寄せる。
 


周囲の視線も、立場も、
 


この瞬間の弥生にはどうでもよかった。