【第一夜】今夜、仮面の下で君を想う





そして、

ほんの冗談のような間を置いてから、

椿は言った。



「では」
 


視線を合わせたまま、軽く首を傾げる。



「今夜、どうですか。」
 


声色は、軽い。
 


からかいと分かる絶妙な温度。
 


一瞬。
 


本当に、一瞬だけ――
 


黒瀬は、言葉に詰まった。
 


迷いが、なかったとは言わない。