【第一夜】今夜、仮面の下で君を想う





「よろしくお願いします。」
 


その瞬間、二人の間に結ばれたのは、
 


契約でも、上下関係でもない。
 


共犯に近い信頼だった。
 


「……せっかくだ。」
 


オーナーは、

手を引く代わりに、軽く一歩近づいた。
 


椿が驚くより早く、腕が回される。
 


強くもなく、長くもない

――ほんの一瞬のハグ。
 


社交の距離。