ネオンが滲む夜の街を歩きながら、 一条椿は胸の奥に小さな溜息を落とした。 「本当に、ここなの……?」 ビルの上階に掲げられた煌びやかな看板。 そこに書かれている文字は、 彼女がこれまでの人生で ほとんど縁のなかった場所の名前だった。 ホストクラブ。 正直なところ、 椿はこの手の店に良い印象を持っていない。