君がくれた涙は、さよならのために

「嘘くせぇ笑顔」

「…え?」


ぷいっと顔を背けてしまった彼はもう私を見ることはなかった。

まるで全てを見透かされたような、そんな気がした。



「瀬川さんってどこから来たのー?」

「ねえねえ、部活何入るかとか決めてる?」

「顔小さい!目大きい!どこかのモデル!?」


ホームルームが終わると同時にわっと机の周りを囲まれて、思わず圧倒される。

少しは想像していたけど、いざやられるとあまりのことにどうすればいいかわからなくなる。


「どうしてこんな時期に転校してきたの?親の転勤とか?」


当たり障りない回答を笑顔でしていると、ふと前の席に座っていた女の子がキラキラとした瞳でそんなことを聞いてきた。

きっと本人はただの好奇心で何気なくした質問だっただろう。

もちろん私だって聞かれると思っていたから、ちゃんとその質問に対する答えだって決めていた。

…だけど、どうしてかわからないけど、喉が締め付けられたように言葉が何も出てこなかった。