君がくれた涙は、さよならのために

「…うん!もうクラスメイトと会えるなんて嬉しいな」


ニコニコと笑っている二人に、最大限の笑顔で返す。

内心では今にも吐きそうなくらい、負の感情が渦巻いていた。

そんなことを知らない松本先生とお母さんは、明日からの流れについて軽く話をすると、お母さんは先に帰っているねと廊下を歩いて行ってしまった。



「ここが私たちの教室、二年一組。先生が合図をするから、そしたら瀬川さんに中に入ってきてもらいたいの」

「はい!わー緊張しちゃうな」

「ふふ、瀬川さんみたいな明るい子だったらみんなすぐに仲良くしたいと思うわ」

「ええ、そうですかねー?」


なんでもない顔をして笑いながら、手汗の滲む両手をぐっと握りしめる。

逃げたいことがあるほど、笑顔の仮面を作るようになったのは一体いつからだろう?


「瀬川さん、入ってきてちょうだい」

「はーい!みなさん、初めまして!瀬川凛々花です!変な時期に転校してきちゃったんですけど、仲良くしてくれると嬉しいです!よろしくお願いします!」


高めの位置で結んでいる長いポニーテールが、教室の中に入った拍子に揺れる。

最後にぺこりと会釈をしてから顔を上げると、クラスメイトたちはぽかーんと呆気に取られていた。