家に戻る道中、滝本はなにやら考え込んでいた。
なんだろうな。
まあ、この人、いきなり無言になるからな。
ま、夜道をひとりで歩かなくていいだけでいいか、と環奈は心地よい夜風に吹かれながら滝本と歩く。
心の中で、滝本は番犬になっていた。
犬の種類はなんだろうな?
なんかこう、シュッとした黒い犬で、鼻を上に上げて高貴な感じに歩いてる犬。
そんなことを考えているうちに、滝本の家に着いていた。
「すみませんね、課長。
連日お邪魔しちゃって……」
と言いかけたとき、環奈は、いきなり、滝本に左肩をつかまれた。
そのまま、玄関の壁に押し付けられる。
なんですかっ、このいきなりの壁ドンはっ。
「花守……」
とその切れ長の目で環奈を見つめ、滝本は言う。



