「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」

「私にはもう、そういうの関係ありませんけど、みたいな。
 花守は全然、私生活を匂わせないけど。

 秘密主義だよね~」

 ……秘密主義なんじゃなくて、浮いた噂のひとつもないだけですよ。

「……課長は長男よね」

 いきなりそんなことを麻沙子がグラスの縁を指でなぞりながら、言い出す。

 結構酔っているようだ。

「そうなんですか?」

「なんであんたが知らないのよ」

「……部下でも知りませんよ」

 酔っている麻沙子が余計なことを言わないかとハラハラしながら、そんなフォローを入れた。

「私は名前が変わるのが嫌なのよっ」

 いきなりそんなことを麻沙子は言い出す。

「私は、宝くじが二番目に当たるイニシャルなのよっ」

「一番じゃないのかよっ」