「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」





 仕事が押した悦子は自分が幹事なのに、呑み会に行くのが少し遅れてしまっていた。

 まあ、まだ始まっている時間ではないが。

 急いで廊下を歩いていると、向こうから来る滝本を見つけた。

 すかさず駆け寄る。

「滝本課長っ。
 今日の呑み会いらっしゃいませんかっ?」

「……呑み会?」
と言いながら、滝本は何故かポケットを確認していた。

 驚愕の表情を見せる。

 なんだろう? と思いながらも、悦子は更に言い(つの)った。

「みんなもう行ってるみたいですけど。
 大きい部屋借りてるし、知り合いの店なんで、人数、融通ききますから。

 総務の方もいらっしゃいますので、ぜひ」

 ……美人だから名前出すの嫌だけど。

 美人だから、男性陣が釣れるのよね、と瞬時に算段しながら悦子は言った。

「花守さんとか」

「ああ、花守も来るのか。
 じゃあ、行こうか」
とまだポケットを確認しながら、滝本は言う。

 課長、まさか、花守さんに気があるのっ?