「お姉さんがハウスメーカーに勤めてて、無理やり買わされたらしいぞ」
ほら、と可愛い色のカクテルを出してくれながら、西山が言う。
……どうしよう。
答えを聞いてしまった。
「滝本さんがひとりで来てたとき、他の常連さんと家の話してて。
俺も混ざって話してたんだけど。
確かそんなこと言ってたな」
「いいんですか。
客の秘密をそんな簡単にしゃべっちゃって」
「あれ、秘密だったのか?
じゃあ、お前、黙ってろ」
黙っとくべきは私ではなく、あなただったのでは? と環奈は苦笑いしたが、もう聞いてしまった。
というか、まあ、確かに本来、秘密でもなんでもない。
しかし、調べる前に知ってしまった。
麻沙子さんに怒られるな。
どうしようかな~、と悩んでいる間に、滝本がやってきた。
こちらに気づいたようだったが、また素知らぬ顔をしようとする。



