「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」

「お疲れ様です~」

 荷物を運んでくれながら環奈が麻沙子に言ってくる。

 デカい……。

 真横に来た環奈を見上げて、麻沙子は思う。

 この見下ろされる感じがまた好きじゃない。

 いや、普通か小柄な方が相手に困らなくていいとわかっているのに、なんとなくっ。

「お手伝いありがとう。
 朝早いから大変だったでしょう?」

 先輩らしく、そう言ってみる。

 すると、環奈は仔犬のように嬉しそうな顔をし、

「ありがとうございますっ。

 いや~、私、早起き苦手なんですよね~。
 あ、でも、イベントのお手伝いとか楽しみですっ」
と言う。

 くっ、愛らしいっ!

 麻沙子はハートを撃ち抜かれていた。

 こう見えて、麻沙子は小さきものが好きだった。

 いや、環奈はデカいのだが。

 その態度は小動物のようだった。

 でも許さないわ。

 滝本課長を惑わした女っ、と荷物を運んでくれている環奈の背を見る。