「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」




 ……何故、この女が手伝いにっ。

「おはようございま~すっ」

 夏のビーチで爽やかに挨拶してきたのは、環奈だった。

 みんなは会社に集合してきたようだが。

 別の場所で今日、配布する商品を受け取る係だった富田麻沙子(とみた まさこ)はビーチで初めて環奈を見て歯噛みする。

 今日のビーチでのイベントッ。

 みんな、私に視線釘付けの予定だったのにっ。

 何故、この女がっ!

 環奈は普段と違い、夏のイベントらしい軽装で。

 ハーフパンツから、すらりと伸びた脚が夏の太陽に煌めき、美しい。

 くっ、負けたっ、と麻沙子は勝手に思っていた。

 環奈と一緒に手伝いに来ていた麻沙子の同期の平井弘章(ひらい ひろあき)に言ったら、

「いや、そこは好みだろー」
と軽く言ってくれていたと思うのだが、言わなかった。

 麻沙子の中の環奈の評価はかなり高かった。

 下手したら、滝本や西山よりも高かった。