「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」

「育ちのよさそうな美人にプロポーズされたら、とりあえず、ああって言うだろ?」

「僕は言わないよ。
 なにか裏があるかもしれないし……」

 疑り深いっ!

 幼少期から、この綺麗な顔のせいで、女性陣に付き纏われ、醜い女の争いも間近に見てきた新浜は、ズタズタのハートで女性を警戒していた。

 いや、それが全然顔に出ないタチなので、相変わらず女性には大人気なのだが。

 コワモテでちょっと引かれる俺とは大違いだな、と西山は思う。

「裏って……。
 あいつはただ、美味いもの食いたいだけだろ。

 まあ、それも裏と言えば裏か」

 可愛らしい裏だ。

 ……あの滝本課長との仲がちょっとミステリアスだが。

 確かに、と笑った新浜の顔に、おや? と西山は思った。

 こいつにしては、女性の話題なのに、ちょっと気を許した笑い方をするな、と――。