「それで、申し訳ないけど、買わせてもらったんですよ、二割引」
残業が終わって帰ってきた滝本に環奈は言う。
「まあ、次に会ったとき、譲ってやれ」
……次に会うことありますかね?
いや、同じスーパーで会ったということは、彼もこの辺りが生活圏内なのか。
ああでも……。
「車で旅してる人かもしれないし」
「今、何処まで発想が飛んだ?」
と言われながら、ハンバーグを作るのを手伝う。
小さくて丸っこいハンバーグがひとりにつき、二個ずつだ。
「あ、なんかこれ、隠れ家カフェのに似てますねっ」
と環奈は喜ぶ。
「この間、美味いって言ってたろ。
……なんだかわからないがお洒落なミートボールの方がよかったか」
と言われる。
……覚えてたんですか、と苦笑いした環奈は言ってみた。
「今度、あの店行ってみませんか?」
「お前の元許嫁が現れるかもしれないだろ?」



