「これは……いいんじゃないでしょうか!」
最初はあまり期待していなかった環奈だったが、その藁焼き鰹のたたきを食べた瞬間、ぐっと力強く拳を握っていた。
「全然生臭くないっ。
美味しいっ。
地酒に合うっ。
課長の鯛めしもいい匂いがしてきますっ。
地酒に合いそうっ」
ああ、この家が近所にあったらっ、と環奈は熱く語った。
「……お前、隠れ家カフェに殴られるぞ」
「隠れ家カフェはもちろん、素晴らしいですっ。
隠れ家カフェのお向かいとか、隣にこの店もあったらっ」
「そうやってどんどん増えていきそうだな。
飲食店の並ぶストリートか」
もうなにも隠れてないな、と滝本は呟いていた。



