「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」




「税込七百七十両ありがとうございます」

 結局、三種類のみかんが飲み比べられるセットにした。

 しかも、滝本が奢ってくれたのだ。

「……江戸時代に消費税あったのか」
と言う滝本とともに、並んだ蛇口に向かう。

 板の上に三つのカップが載せてあるのだが、まず、ひとつとり、蛇口を捻った。

「……なかなか出ませんね。
 売り切れかな。

 あっ、出たっ」

 出始めたら、今度はなかなか止まらない。

 結構蛇口を捻らないと出ないので、ぐるぐる回してしまったせいで、締めるのも容易でないからだ。

「これ、こぼしたら、怒られますかねっ」
と環奈は焦ったが、なんとか、表面張力でどうにかなるくらいの量で止まった。

「つ、次は気をつけますっ。

 ……止まらないっ」

「お前は学習しないのか……」
ともれなく罵られながら、なんとか三種類そそいだ。