「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」

「気づいたのよ、最近。
 男は顔じゃないって」

「どうしたんですか、成田さん」
と麻沙子が本気で心配している。

「この間、あんまりイケメンじゃない、おとなしい人がコンパに来てたの。
 でも、なんかその人が輝いて見えたのよっ」

「それは恋ですねっ」
と環奈以外の後輩たちが盛り立てようと手を叩き、言っている。

 環奈はまだ、難しい顔で親子丼を食っている。

「私、気づいたのっ。
 その人、すごいマメに世話を焼いてくれてたのよ。

 箸をとってくれたり、お酒がなくなってると気づいたら、メニュー渡してくれたりっ。

 最終的にたどり着くのは、顔より、マメな男よっ。

 女は永遠にお姫様でいたいのよっ」

 悦子は力説している。

 マメな男か。

 ……俺は別にマメじゃないな。

 だが、花守には飯を作ってやり、片付けを手伝ってやり、時には酒を運び、つまみまで作ってやっている。

 いや、下僕かっ、と自分で改めて思った。