「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」



 ……人相が変わるったって、あの綺麗な顔がそんなに変わらないだろ。

 滝本は、
「ダイニングテーブルで食べるか?
 テレビの前のソファのところで食べるか?」
 そう聞きながら、丼を運ぼうとしていた。

「じゃ、テレビの前で~」
とまだ木のいい匂いのする廊下の向こうから環奈の声がする。

 食べる準備を整えたところで、環奈がやってきた。

 メガネを手にしていて、まだかけていない。

 丼の前に座ると、
「では」
と言って、環奈は、その黒縁のメガネをかけた。

 ……誰?

というくらい似合わない。

 そもそも小さすぎる顔のせいで、メガネの主張が強すぎるし。

 環奈はすぐに外すと、
「ね、ひどいでしょう?

 というわけで、そんなに見えないけど、そんなにおかしくないメガネもあるので、こちらを」
と違う銀縁のメガネをかけた。

 こちらは幾分かマシだった。

「……いや、さっきのも別におかしくなかったぞ」