ただいま植物男子をお世話中

実際にやるのは恥ずかしいので心の中でしていると、「あのさ、隣、座ってもいいかな?」と確認をされた。



「はい。いいですよ」


返事とともに小さく頷く。



「ありがとう」



ちょっと端に寄って、翠くんの座るスペースを確保する。


そうして翠くんが隣に座ると、綺麗な緑色の髪が私の目の前にきた。


長くて顔をも覆うその髪は、朝日に照らされてキラキラと反射している。


……そういえば、翠くんって何の植物が元になってるんだろう?


思い返せば、翠くんの元となっている植物は何なのか聞いていなかった。


綺麗な緑色だし、草木とかなのかな?


一度考えてしまうと、そのことで頭の中がいっぱいになってしまった。



「あの……さっきからずっと僕の方見てるけど、僕に何かついてる?」



じーっと見過ぎていたのか、翠くんが少し心配そうにこっちを向いている。



「その……翠くんって何の植物が元になっているのかなーって思ってました」


「え?……ああ。そういえば、まだ百花ちゃんには言ってなかったね。……知りたい?」


「はい!翠くんのこと、もっと知りたいです」


「そっか。僕のことをもっと知りたい、かぁ」



そう呟くと、心の底から嬉しいそうにくすくすと笑う。


そんなに喜ぶような言葉じゃないと思うんだけどな……。



「じゃあ、ちょっとこっちに来て」



翠くんはそう言うと同時に、ベンチから立つ。


そして家の壁際の方に移動した。


急にどうしたんだろう……?


少し不思議に思いながらも、私も翠くんの方へと向かう。