ただいま植物男子をお世話中

家の裏側には、小さな畑と温室が設置してある。


お父さんが家にいた頃は、色々な野菜を植えて一緒に収穫してたな……。


そんな思い出を持つ半透明の温室は、日を受けて光り輝いていた。


その中に、一際赤い頭を見つけた。



「あ、薔薇山くん!」



温室の中に入り、薔薇山くんの元へと駆け寄ると、ギロリと睨まれる。



「…………何、アンタ。俺になんか用?」



そう言い放った言葉が、目付きが、チクチクと私を刺す。


あ、朝の時よりも怖い……!


こういう人に耐性が全くない私は、思わず後退りそうになる。


でも、声をかけた以上は何か話さないと変だよね……。


薔薇山くんの視線に耐えながら、なんとか口を開いた。



「え、えっと……畑に植えてあるジャガイモを収穫したいんですけど、一緒にやってくれたら助かるな〜って思って……」



段々と声が小さくなっていってしまった。


き、聞こえてなかったらどうしよう……。


そんな私の気持ちを知ってか知らずか、薔薇山くんは



「…………わるい。俺以外の奴に頼んでくれ」



とだけ言って、そのまま温室から出ていこうとした。


あ!これだけは伝えとかないと!!



「ちょっと待ってください!」



ピタリと薔薇山くんの足が止まる。


その背中に向かって、今度はちゃんと最後まで声が小さくならないように言った。



「3時間後に食堂……1階の右奥の部屋に来てほしいです。ご飯作って待ってますから」


「……他の奴らに言っとく」



それじゃ、と言い残して、薔薇山くんは今度こそ温室から出ていった。