ただいま植物男子をお世話中

…………………………
…………



「はあぁー…………」



教室の中、私は机に突っ伏して窓の方を見ていた。


結果から言うと、遅刻はしなかった。


ホームルーム開始まで1分前の、すっごくギリギリな時間だったけどね……。



「ずいぶん遅かったじゃん、何かあったの?」


「早苗ちゃん……」



私の幼稚園からの幼馴染であり、鉢田さんの一人娘である鉢田早苗《はちたさなえ》ちゃんが声をかけてくれた。


今みたいに、よく私を心配してくれる優しい子なんだ。


一瞬、本当のことを言おうか悩む。


実は、今日から男の子たちのお世話と観察を任されることになったんだ、と。


……言ったらものすごく心配されそうなので止めておこう。


早苗ちゃんには余計な心配をかけたくない。



「え、ええっと……実は今日、うっかり寝坊しちゃってさー」


「ウソでしょ!?あの百花が……!?」



うう……ちょっと無理があったかな……。



「……ほ、ほら、私たち、中学生になって色々なことを今日から学ぶでしょ?それが楽しみでつい寝付けなかったというか……」



苦し紛れに嘘を重ねる。


なんだか騙しているみたいで、罪悪感が膨れ上がってきた。



「そう?ならいいんだけど……。……もし、本当ら何か悩みがあるなら私に言ってね?」


「う、うん。早苗ちゃん、ありがとう」



私がそう言うと同時に、授業開始を告げるチャイムが鳴った。


早苗ちゃんは最後まで私の心配しながら自分の席へと戻っていく。


結局、早苗ちゃんに心配させちゃった……。


申し訳なくなりながらも、私は授業の準備をし始めた。