だからアナタに殺されたい。




ローゼルの血が欲しくて欲しくて。自分からローゼルの口内に積極的に舌を這わせる。
その中でローゼルが口内に傷を負っていたことに気がついた。
右頬の裏に、小さな傷がある。
そこから甘い血がじんわりと溢れているのだ。

夢中になって、ローゼルに口を寄せ、その血を喰らった。

私はローゼルを愛している。
だからこそ、ローゼルの血が欲しい。
いや、ローゼルの血が欲しいからこそ、彼を愛していると錯覚しているのだろうか。

今の私はどちらなのか。

ドロドロに溶けていく思考の中で、私はふとそんなことを思った。
それから徐々に、理性を取り戻していった。



「…ロ、ローゼル。もう、大丈夫よ…」



クリアになってきた頭で、ローゼルを止める。
もう、私にはどうしようもない渇きはない。
これも全て、ローゼルが故意に私に血を与えてくれたおかげだ。
ローゼルの口内の傷は、私に血を飲ませる為のものだったのだろう。

しかし、ローゼルは物欲しげに私を甘く見つめ、懇願するようにその瞳を細めた。



「本当に?」

「…っ」



もう大丈夫なはずなのに、ローゼルのその表情が私の理性をまたグラグラと揺らす。