「…ローゼル。もう、いいの。私に尽くそうとしないで。恩ならもう十分返してもらったわ。血のこと以外でも、たくさん、たくさん…。だから、もう私のことは…」
何度も何度も頭の中で思ってきたことを、初めて言葉にしていく。
わかっていたはずなのに、言葉にすると、本当の意味でわからされて辛くなる。
私はローゼルの善意につけ込んで、恋心を満たしていた。
最低なやつなの。
もっと、早く、「もういいよ」と言ってあげれば、ローゼルは私に囚われることなく、生きていたはずなのに。
罪悪感を感じることも、こんなところまで来ることもなかったはずなのに。
「…は、ふふ」
いろいろな感情で今にも潰れてしまいそうな私に、珍しくローゼルがおかしそうに笑い出す。
あまり聞かないローゼルの笑い声に、私は思わず言葉を詰まらせ、目を丸くした。
「アナタって人は本当に…」
堪えきれない、といった様子で、ローゼルが嬉しそうに瞳を伏せる。
それから淡々と、だが、私に言い聞かせるように、優しく話し始めた。



