自分の思考が信じられず、ぎゅうっとまぶたを閉じる。
こんなことばかり考えてしまう私はもうバケモノなのだろうか。
元の私には戻れないのだろうか。
そう思うと、閉じていたまぶたから涙が溢れた。
「スカーレットさんやっぱりダメだったみたいね」
ふと、扉の向こうからここ職員の誰かの声が聞こえる。
その声は落ち着いており、まるで天気の話をするようにとても淡々としていた。
「ついに限界に達したみたいで職員を襲ったらしいよ?相手は同じ吸血鬼なのに」
「ダメだったんだろうね。もしかして明日の処分の予定って…」
「そう。スカーレットさんの。今は眠らされているから落ち着いているんだけどね」
何気ない職員たちの会話が、私からどんどん体温を奪っていく。
私はスカーレットさんのことを知らない。
だが、話の内容的に、私と同じような境遇の吸血鬼で間違いないだろう。
限界に達したということは、禁断症状が出たのか。
処分とはつまり危険な対象として、殺されるということなのか。
まるで未来の私の話を聞いているかのようで、生きた心地がしない。
そういえば、ここに来てまだ浅い頃、隣の部屋はいつも騒がしかった。
壁を叩く音が響き、苦しみに耐えるような叫び声が絶えず聞こえていた。
けれど、今はもうその騒がしさがない。
隣の人もまた、処分されたのか。



