それなのに、こんなどうしようもない俺をエレノアは愛していたというのか。
エレノアが手を差し伸べる人々のうちの1人であるとずっと思っていたのに。
捕食対象としてではなく、1人の男としてエレノアの特別であったことがわかり、嬉しくて嬉しくて心臓が張り裂けそうだ。
だが、エレノアを死へと追いやっているのは自分なのだと知り、罪の意識でこの身が潰れてしまいそうにもなる。
どうすればいい。
どうすれば、エレノアは助かる?
胸いっぱいに広がる苦しい感情を抑えて、俺はなんとかページを読み進めた。
ここで押し潰されている場合ではない。
エレノアを救わなければ。
禁断症状に陥った吸血鬼は基本、そのまま死ぬまで狂う。
しかし、愛する者がいた場合、助かる方法が一つだけある。
それは血を求める本能をその愛で満たすことだ。
愛する者に満たされた吸血鬼は、血を求める本能を抑えられ、禁断症状から脱した…という例もある。



