だからアナタに殺されたい。




ここでの生活もとてもよかった。
エレノアとたくさんの時間を過ごし、いろいろなことをした。
畑を作ったり、食器や家具を作ってみたり。
作ったもので、炊き出しをしたり。

彼女と共に作った庭は、今ではこの村のちょっとした観光スポットにまでなっている。
色とりどりの花々に小さな川。ベンチにブランコにテーブルまで。
ここはまるで小さな皇宮の庭だ、と笑い合った日々が今でも鮮明に思い浮かぶ。

彼女と俺は今日までずっと生きてきた。

ーーー俺は彼女に殺されたい。
今もこの願望は消えていない。
俺の最期は彼女がよかった。

きっとその願いは、もう叶う。



「…エレノア」



随分弱々しくなった声で、最愛の人の名前を呼ぶ。



「ありがとう」



それから柔らかくそう言った。

ふふ、と鈴の音を転がすような声が風に乗って、わずかに届く。