「そうしてください」
甘くそう言って、ローゼルが私の腰にするりと手を伸ばす。
それから優しく私を抱き寄せると、私の瞳を伺うように覗いた。
「エレノア、アナタは本当に鈍感ですね。俺がどれだけアナタを愛し、アナタに囚われていたとでも?俺がアナタに縛られるということは、アナタも俺に縛られるということです。ずっとみんなの聖女をここまで堕としたかった」
私を閉じ込めるローゼルの腕は優しく、けれど、私を逃すような隙は一切ない。
柔らかい腕の中で、囚われた、と私は思った。
愛おしい人の優しい檻に。
幸せそうなローゼルに、私はまた涙が溢れた。
その後、ここに来た両親が私たちを見て、状況を理解し、泣いて喜んだのは言うまでもない。
「ローゼルさん、どうかうちのエレノアをよろしくね」
「ありがとう、君はエレノアの命の恩人だ」
お母さんもお父さんも幸せそうで、久しぶりに見る二人の笑顔に、私の胸はじんわりと温かくなった。
もう二度と望めないと思っていた幸せの中で、私は明るい未来に思いを馳せた。



