「答えが早すぎるわ。吸血鬼と結婚するということがどういうことかわかっているの?アナタの伴侶が生涯、誰にも言えないバケモノになるのよ?」
「バケモノ?エレノアがですか?天使の間違いでしょう?」
「ち、違う…っ!それに吸血鬼と人間の間に生まれた子は吸血鬼になるの!ローゼルの子が吸血鬼になるのよ?それでもいいの?」
「もう子どもの話ですか…。エレノアは何人欲しいんですか?俺は3人は…」
「そうじゃない!話が逸れてる!」
人が一生懸命話しているというのに、ローゼルはなんとも呑気なもので、ずっととても幸せそうで何より楽しそうだ。
それだけ私のことを愛しており、私との未来を楽しみにしていると思うと、こちらも胸がいっぱいになるが…そうではない。
ローゼルのことを想うのなら、彼を〝結婚〟という逃げられない鎖で繋ぎ止めておくべきではない。
私は最悪、死んでしまってもいいのだ。
ローゼルの犠牲の上で成り立つ生などいらない。
「…ローゼルは私と結婚すれば、もう私以外を選べなくなる。私の生命の保障の為だけに、私に縛られる人生になるの。それでもいいの?」
冷静に考えさせる為に、ゆっくりと事の重大さを伝える。
…が、ローゼルは一瞬、きょとんとした後、とてもとても嬉しそうにその瞳を細めた。



