檻の羊

その時はっきりと決意ができた。
ああ、この人を殺してしまおう、と。

私の一世一代の恋。
この人に壊された心臓。

私の心は今もこんなに熱いのに、めーくんの中では私の心なんてとっくに死んでいたのだ。

何もかも、めーくんにとってはただのステータス。
″男″としてのプライドを輝かせる為のアクセサリーでしかなかったんだ。

六花先生との結婚だってきっとその程度なのに。
その程度の表彰台にすら登れない、ただ子どもだというだけで蹴り落とされた私の恋。

どんな扱いでも良かった。
そばに居られるのならそれだけで良かった。

私が六花先生と同じ立場だったら、その権利は私にあったかもしれないのに。
こんなめーくんを、過去から救ってあげることができたかもしれないのに。

殺してしまおう。

まだ好きなうちに。
この心臓が熱いうちに。

この人がこれ以上、悪い大人になっちゃわないように。

殺してあげよう。