檻の羊

インターホンを鳴らす前にワンピースの裾と前髪を整える。
好きな人に学校以外で会うんだし身だしなみには気を遣う。

一つ、深呼吸をしてインターホンを押した。
カチャッて玄関の鍵が開けられる音に反応するみたいに私の心臓がドクンッて鳴った。

「遅くなってごめんなさい」

「いや。入って」

「おじゃまします」

スーツでもつなぎでもないめーくん。
白いシャツの袖を捲っている。
ほど良い筋肉の筋に目を奪われてしまう。

そう言えば夏祭りでもそうだったけれど、プライベートでは眼鏡をかけていないことに気がついた。
めーくんが瞬きを繰り返すたびに鼓動一つ分ずつ、私の心臓が死んでいけばいいのに。
恋は病気。
私はいつだってめーくんのせいで死んでしまえることを望んでいる。