檻の羊

急いで帰宅して、制服から私服に着替える。
またすぐに出ていく私の背中に「遅くならないでよね!」ってママの声が飛んだ。

ママと一緒に謝罪に行くなんてもちろん嘘。
そうでも言わないとめーくんは世間体を気にしておうちに入れてくれないもん。

でもお見舞いに行きたいのは本当。
駅前のお花屋さんに立ち寄ってから、大型ディスカウントショップを見て回った。
六花先生が喜んでくれることだけを願って一生懸命探した。

なかなかお目当ての物が見つからなくて、めーくんのおうちに着いた時には七時を少し過ぎてしまった。

遅刻だぞ!って学校の時みたいに怒られちゃうかもしれない。

新婚さん、というか婚約中の二人だし、まだまだ新米教師に分類されるくらい若い先生達だから、
学生時代の延長線、みたいなマンションで暮らしているのかなって想像していたけれど、一戸建てのおうちだった。
どう見ても新築だと分かる、まだ真新しい外壁。
子どもが産まれるわけでもないのに。
教師ってそんなにお給料がいいのかな。
でもめーくん。おうちなんて建てちゃったら離婚する時どうするの。
私はヤだよ。他の女と暮らしていた部屋なんて。

でも安心してね。
ちゃんと壊しやすく、私がしてあげるから。