檻の羊

ショルダーバッグからお気に入りのキャラクターのメモ帳とシャープペンを取り出して渡した。

サラサラと書き込んで返されたメモ帳には、めーくんのおうちの住所が書かれている。

やった。
個人情報ゲット。

「七時には俺も帰ってると思うから」

「分かりました。母と一緒に行きます」

「ああ」

技術室を出て、廊下をゆっくりと歩く。
曲がり角まで、飛び跳ねてしまいそうな気持ちをグッとこらえるのが大変だった。

押しに弱いめーくん。
そんなんだからつまんない女に捕まっちゃうんだよ。

結婚したっていいって思っていた。
めーくんの心の中に私の場所が在るのならなんだって平気だと思っていた。

でもあの女はだめ。
めーくんを間違ったほうへと連れていく悪い大人だ。

私が正しく、私だけのめーくんに戻してあげるからね。