檻の羊

それでもいいけど人前でそう呼ばれるのはちょっと恥ずかしいってめーくんが言ったから、この呼び方は二人だけの時ってルールにした。

「内緒ってこと?」

「特別扱いしてるとか騒がれたら面倒だろ」

「…うん。内緒がいい」

そのルールさえも私を舞い上がらせた。
だってこんな風に二人だけでお話する日を、めーくんの中では既に想定しているってことだから。

その日から私の心は猛スピードでめーくん一色に染まっていった。
この恋はもちろんクラスメイト達には内緒。
めーくんに迷惑かけたくないもん。

だけど風子ちゃんだけが知っている。
このことを打ち明けるのは風子ちゃんへの信頼の証だった。

あんまり自分から恋バナをしてこなかった私の、
ほとんど初恋とも呼べる恋に風子ちゃんは瞳をキラキラさせて喜んでくれた。

相手が教師だなんてまるで障害物リレーだ。
立場の壁。年齢の壁。世間体の壁。
次から次へと押し寄せてくる壁を乗り越えるたびに、
私とめーくんはきっと最強の恋人になれる。

そんなことばかりを考えて過ごしてきた。