檻の羊

あーあーあーあー。

その優しさ、好きくない。

なんで許すの。なんで誰も私を責めないの。

教頭先生に諭されたから?
そんなの建前で聞いていればいいんだよ。
本当は怒ってるのならその怒りをぶつければいい。
お前のせいだって、めーくんの中にある本音で私を殴ってよ。
そうやってめーくんの心に私を植え付けて欲しいのに。

生徒を責めるわけにはいかないから?
ううん、子どもがやったことを許してあげるのが大人の余裕とでも思っているのだろうか。

それどころか、この事件を経てめーくんと六花先生の絆が育ってしまった気がした。

六花先生の事故を聞いた時、さすがのめーくんも焦ったと思う。
しばらくは安静にしていないといけない六花先生を支えるめーくん。
指を怪我するのは商売道具を壊すことと同じなのに、生徒を庇いながらも気丈に振る舞う六花先生。

骨折が絆を強くする。

風子ちゃん達とおんなじだ。

違うのは、めーくんと六花先生の中には私が居ない。
私が起こしたことなのに。
私の恋が二人の関係を構築する材料にされてしまったみたいで胸糞悪い。

風子ちゃんは自分が加害者であるとちゃんと認められたまま、秋夜くんの中に在り続ける。
秋夜くんは真実を知って更に風子ちゃんを守っていくことを決意した。

私の存在は無かったことにされてしまった。

子どもの戯言なんて意に返さないとでも言いたいのか。

許せない。

許せない許せない許せない、絶対に許さない。