檻の羊

「私のせいなんです」

そう言った私に二人の視線が集中する。

「三時間目に音楽が終わった後、筆箱を忘れてきてしまったことに気づいて音楽室に戻りました。それで六花先生と一緒に階段まで歩きました」

「君のせい、というのは、その…水澤先生が足を滑らせたのを助けられなかったとかそういうことかな?」

「…いいえ。私のせいで六花先生は階段から落ちたんです」

「紅羽さん、どういうことか説明してくれる?」

俯いて、泣いている素振りでスン、と鼻をすすった私の背中を国語の先生が優しく撫でてくれる。

六花先生を突き落として″しまった″ことを隠すつもりはない。
「たまたま階段に来たら落ちていた」とか言ったって、一緒に居たことはすぐに六花先生の口からバレるのだから。