檻の羊

ママが階段を下りていって、私は人前に出ても問題がない程度の部屋着に急いで着替えた。

私がリビングに入ると、パパが「ごゆっくり」って言って、ママと出ていった。

俯いていた風子ちゃんが顔を上げた。

なんでだろう。
秋夜くんが骨折した日とおんなじような、泣き腫らした目をしている。

秋夜くんの雰囲気もいつもと違う気がした。
カラッとした、底抜けに明るい笑顔の秋夜くんじゃない。

「どうしたの」

「突然ごめん。クレハちゃん、気分はどう?」

「体調は平気。でも最悪な気分」

「そうだよね。私も全然知らなかったからびっくりした」

「クレハ、マジで具合悪かったんだな。きつかっただろ」

「ありがとう。もう大丈夫だから。それより、そっちこそどうしたの。なんかあった…んだよね」