檻の羊

早退してからずっと自分の部屋に籠っている。

時計の音がまるで私を責め立てているように聞こえて耳障りだ。

その音から逃げるように、頭からつま先まですっぽりと布団を被っていたら、部屋のドアがノックされて「宵」って呼ぶママの声が聞こえた。

「調子どう」

「気分悪い」

「熱は?」

「ないけど」

布団から顔を出したらママが心配そうに私を見ていた。

「心配かけてごめん。昨日あんまり眠れなくて。寝不足で貧血起こしたんだと思う。ちゃんと寝れば治るから」

「あんたねぇ。貧血は怖い病気なんだからね。気をつけなさいよ」

「分かってる!」

「ちょっと起き上がれそう?」

「え、なんで」

「風子ちゃん来てるわよ。二階堂くんと一緒に」

「え」

「二階堂くん、足しんどいだろうからリビングで待ってもらってる。あんたにだいじな話があるって。ママとパパ、外で食べてくるからゆっくり話しなさい。…心配しなくてもお土産買ってくるわよ」

「そんな心配してないよ!」