檻の羊

なんとなく分かった。
めーくんが呼ぶ″紅羽″は、みんなみたいに愛称とか、親しみは込められていない。

ただの名前で、ただの生徒と先生の口調だった。

「じゃあなんであんなことしたの」

「…気の迷い。男である前に、教師でいるべきだったな」

めーくんが保健室を出ていった。

開けられたカーテンの向こうにはやっぱり保険医の先生が居て、そばのソファには私のショルダーバッグが置いてある。

風子ちゃんとお揃いで買ったうさぎのキーホルダーに睨まれているみたいな気持ち。

最初から早退させるつもりで持ってきてくれていたのかな。

酷い気分。
言われなくても一日中、学校に居る気力は無い。