檻の羊

「いちいち大声出すなよ、お前らは」

「こんなんジッとしてられるわけないでしょ!」

「マジすげー」

「いつからいつから!?」

「副教科カップルじゃん」

「サブキャラみたいに言うなよ。…はい、もう静かにして。水澤先生からも授業の時に報告あると思うけど」

「水臭いなー。″白居″六花先生でしょー」

「うるせーな。入籍は来年の春を予定しています。入籍後に正式に発表する予定だったんだけどな。まったく…昨日こいつらに見られたんだよ」

めーくんは恨めしそうに苦笑して、男子達はなぜかヒーロー気取りだ。

地獄の底の底の底の底の、この世の底辺まで突き落とされた私の感情は「死んでしまいたい」。

それだけだった。

視界が真っ暗になる。
遠のいていく喧騒達。

風子ちゃんの悲鳴だけが鼓膜をかすめていった。