檻の羊

「しーずーかーにー!やっぱお前ら口軽いな」

「あーんなネタ、中学生には無理ですって」

「はい。じゃあもうこいつらのお喋りで聞いた者も居るだろうけど」

めーくんが両手を教卓に付いて、教室全体を見渡した。
私とは目が合わなかった。

「先日、音楽担当の水澤六花先生と婚約しました」

今度は私と入れ替わるように、騒がしかった教室が深海に沈められたみたいにシン、と音を失くす。

それも一瞬のことで、すぐにワッと割れんばかりの歓声が教室を包み込んだ。