檻の羊

「なぁなぁ、絶対怪しいよな!」

「俺なんか突撃しちゃったしな」

「お前勇者過ぎな」

登校してきた男子達の声で教室がガヤガヤと騒がしさを増した。
いつもは気にならない声も、今日は頭に響く。

「何、なんかあったの」

会話に加わった秋夜くんに、男子の一人がニヤニヤと意味深な顔で肩を組む。

「昨日映画行ったんだよ」

「あ、もしかしてアレ?」

「そうそう」

男子達が今流行っているアニメの劇場版のタイトルを口にする。
風子ちゃんと秋夜くんも今度行くんだって、楽しげに会話をしている。

「でさ、終わって映画館を出る時な。フロアに座れるとこあんじゃん」

「あー」

「そこで目撃しちゃったんだよねー」

優秀なパパラッチみたいに得意げな顔をして男子は言った。

「羊先生と六花ちゃん」

「え」